2011年03月27日のツイート
20世紀最大の学術的発見のひとつであるゲーデルの不完全性定理は、「汲めども尽きぬ知的濫用の泉である」とも言われる。あらゆる分野で引用され、しかもその大半が定理の使い方を誤っているからだ。本書はそんな偉大な定理のユニークな解説書。「革命」ばかりが語られてきた不完全性定理について、定理としての醍醐味を語る。ゲーデル、チューリングをはじめとする驚くべき頭脳がシステムの性質を探る、創造性あふれる営みを垣間見る旅。しかも数々の誤用例を素材に、ゲーデルの定理では言えない(……)ことまでを徹底的に点検し、定理の射程を明らかにしている。認知科学、物理学、神学、ポストモダン批評など、思いつくかぎりの分野から誤用・誤解の事例がとりあげられている。誰もが陥りやすい錯覚や、緻密な考察の末の誤りも多く、著名な科学者の文章でさえ例に漏れない。同じ轍を踏まないためにもゲーデルの定理を引用する際にはとりわけ必読の書である。定理に刺激されがちな話題のなかには、数学・論理学・哲学にまたがる深遠なアイデアが含まれている。「心対コンピュータ」/複雑さ/無尽蔵といったテーマを深めることを通じて、読者は数学の哲学の奥深さに触れることができるだろう。
「絶対不可能」をくつがえす!世界各国を飛び回り、プロの要請にこたえて日本未上陸の植物を探し回る男、西畠清順。いま注目の若き「植物探索者」が語る「人の意識を変える植物の力」。