気になる本 01/26

幼稚園誕生の物語 「諜者」関信三とその時代 平凡社 国吉 栄著

日本で最初に作られた幼稚園は東京女子師範学校(現:お茶の水女子大)の付属施設で、設立に関わったのが幕末から明治初期に生きた真宗大谷派の僧「関信三」だそうです。そもそも、関は新政府の命を受けキリスト教排斥のためのスパイ活動を行った人物ですが、政府のキリスト教解禁に伴いその使命を失い、逆にスパイ活動で知った幼稚園を日本で初めて設立し普及するのに尽力したとか。激動期における数奇な運命に、非常に興味をそそられます。

図説宝石と鉱物の文化誌 伝説・迷信・象徴 原書房 ジョージ・フレデリック・クンツ著 鏡 リュウジ監訳

宝石界の権威であるクンツ氏が、宝石にまつわる様々な伝説や迷信、象徴や宗教的意味などを世界中から収集して一冊にまとめた本です。筆者のクンツは、「クンツァイト」という宝石の由来となった人で、ティファニーの副社長をつとめ、宝石について様々な研究をしました。彼の研究成果を元にアメリカの宝石産業界は誕生石をつくりだしたそうです。余談ですがダイヤモンドが4月の誕生石になったのは、その月に生まれた適齢期の女性が最も多かったからだとか(笑)パワーストンに興味のある人も楽しめるかもしれませんね。

第1章 石にまつわる迷信とその起源
第2章 護符や魔よけとしての宝石と準宝石
第3章 宝石の護符としての使い方
第4章 護符として利用された彫刻を施された宝石
第5章 不吉な石と発光する石
第6章 水晶球と水晶占い
第7章 宝石の宗教上の用途
第8章 大祭司の胸当て
第9章 誕生石
第10章 宝石が伝える惑星と恒星の力
第11章 宝石と準宝石の治療的利用

月岡芳年風俗三十二相 謎解き浮世絵叢書 二玄社 町田市立国際版画美術館監修 日野原 健司解説

月岡芳年は幕末から明治前期にかけての浮世絵師です。妊娠した女性を逆さ吊りにして、その下で老婆が包丁を研ぐ(「奥州安達が原ひとつ家の図」)―そんな「無惨絵」で有名ですが、実は美人画も多く残しています。本書は美人画の傑作「風俗三十二相」を全部収録し、一枚一枚解説した本になっています。江戸末期〜明治初期の女性のグラビア集といったところでしょう。

生命はなぜ生まれたのか 地球生物の起源の謎に迫る 幻冬舎新書 高井 研著

NASAが猛毒ヒ素を活用して生命活動を営む細菌について大々的に報じたのは記憶に新しいですが、最近の研究で、生命は随分過酷な環境にも適応している事が分かってきました。「深海熱水孔(深海にある熱水の噴出口)」に生息する「メタン菌」のような生命がいかにして生まれたかを、第一線の研究者である高井研氏が、地質学・生物学を駆使して説明するとか。

第1章 生命の起源を探る、深海への旅
第2章 地球の誕生と、生命の誕生
第3章 生命発生以前の化学進化過程
第4章 生物学から見た生命の起源と初期進化
第5章 エネルギー代謝から見た持続的生命
第6章 最古の持続的生命に関する新仮説
最終章 To be continued

その他の面白そうな本

千年を耕す椎葉焼き畑村紀行 平凡社 上野 敏彦著
仏像を彫りませんか 一木造でやさしく作る 本体・光背・台座を一つの木から彫り出す 日貿出版社 吉川 瑞慶著

どっかの山奥にこもって農業をしながら仏像を彫る生活ってのにあこがれます。やってみたら3日と続かないような気もしますけど(笑)

アイドル進化論 南沙織から初音ミク、AKB48まで 双書Zero 筑摩書房 太田 省一著 
キョンシー電影大全集 キョンシー映画作品集 PARADE BOOKS パレード 田中 克典/望月 遊馬/長田 良輔著

最近のアイドルはとんと分かりませんが、中3トリオ(山口百恵森昌子桜田順子)、ピンク・レディーキャンディーズ松田聖子中森明菜小泉今日子松本伊代オールナイターズおニャン子クラブ森高千里あたりまでは結構よく見てました。キョンシーは映画館で見た記憶はありませんがTVやビデオでは何本か見たような…。懐かしいです。