予告を見て気になった映画 2月第1週
平成ジレンマ
1980年代の始め、戸塚ヨットスクールを舞台にした事件が世間を騒がせました。戸塚ヨットスクールではヨットの技術以上に、社会に適合できない子供たちを訓練を通じ社会復帰させた実績が多く評価され、100人を越す生徒が入学していたようです。しかし、激しい体罰を伴う指導により生徒の死亡事件、失踪事件が相次ぎ、校長である戸塚宏氏とコーチ数名が傷害致死、監禁致死で実刑判決を受けました。
この映画は刑を終えて再び戸塚ヨットスクールを再開した戸塚宏氏に東海テレビ放送が密着取材を行ったドキュメンタリーです。最初はTV番組として放映したものの反響が大きく、未公開部分を付け加えて映画化したそうです。
事件から30年経ち、現在は体罰による指導は行われていないそうです。また、昔はいわゆる「不良」がスクール生でしたが、現在は20歳を過ぎた「ひきこもり」や「ニート」と呼ばれる人が10人ほど所属しているそうです。スクールが再開し、そこに通う生徒がいるという事実にも驚きましたが、そういった世相の変化も非常に興味深いものがあります。
監督:齊籐潤一
ナレーション:中村獅童