気になる本 02/03

津山三十人殺し最後の真相 ミリオン出版 石川清

津山事件または津山三十人殺しは、1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件である。2時間足らずで30名(自殺した犯人を含めると31名)が死亡し、3名が重軽傷を負うという、日本の犯罪史上前代未聞の殺戮事件であった。

 犯人は都井睦雄という21歳の青年。女性関連からの恨みによる犯行らしいが、本人が自殺したので真相は闇の中。事件の起こった地では今なおタブーで、関係者たちも口を閉ざしているというが、この事件の真相をキーマンの女性の証言とアメリカに眠っていた禁断の文書(何故、アメリカに?)で解き明かすという。
 事件は田中登監督、古尾谷雅人主演で「丑三つの村」という題名で映画化されている。また、横溝正史の「八つ墓村」の田治見要蔵はこの事件の犯人がモデルで、映画で頭にランプを取り付けた男が剣で次々と村人を殺戮するシーンは「八つ墓村」を象徴するシーンとして有名だろう。