気になる本 02/05

涅槃図物語 大法輪閣 竹林史博著

涅槃図はお釈迦様が亡くなる場面を描いた仏教絵画。「応徳仏涅槃図」のように国宝になっている作品もある。沙羅双樹の根元に横たわるお釈迦様の周りを菩薩や動物が取り囲んで死を悲しむというのが主題だが、いくつか約束事があったり、ディテールが時代によって変わったりするようだ。こういう本を読んでおけば涅槃図鑑賞の際により深く理解できるだろう。

1.涅槃図の変遷―お釈迦様の右手と枕
2.涅槃図の変遷―第一形式と第二形式
3.涅槃図の登場人物―五十二衆
4.涅槃図の舞台―沙羅双樹 他
5.涅槃図の名優たち〈一〉―金剛力士・純陀・阿那律・阿難 他
6.涅槃図の名優たち〈二〉―摩耶夫人の逸話
7.涅槃図の名優たち〈三〉―阿難の逸話
8.涅槃図の名優たち〈四〉―月蓋長者・一人の老女・四天王・阿闍世王 他
9.涅槃図の名優たち〈五〉―異形の会衆
10.涅槃図の動物たち―兆殿司と猫・牛・迦陵頻伽・白象 他
11.涅槃図さまざま―八相涅槃図・木版涅槃図・経文書き涅槃図 他

社会学とは何か ミネルヴァ書房 盛山和夫

世界各地で民主化運動が盛んになっているが、果たしていかなる場合も民主化=善なのか。独裁者による抑圧のたがが外れた時にもたらされるのは、それ以上の混乱と新しい抑圧構造にすぎないのではないか。今こそ社会学の基礎を再度理解しておくのもいいかもしれない。

第1章 意味世界としての社会的世界
第2章 社会はいかにして可能か
第3章 秩序問題という問い
第4章 事実性と規範性
第5章 ミクロマクロ生成論の試みと挫折
第6章 階級と権力の意味的秩序
第7章 社会システムは存在するか
第8章 経験主義と外的視点の限界
第9章 規範的社会理論への展望
第10章 共同性の学としての社会学

垂直軸風車製作ガイドブック パワー社 松本文雄/牛山泉/西沢良史著

風車の製作には興味はないけど、この出版社のラインナップは面白い。「小型水力発電機製作ガイドブック」とか「甦るらせん水車」「竹とんぼ・作り方/飛ばし方のコツ」なんて本はどういう人が読むんだろう。出版社として成り立っている以上はそれなりにニーズがあって、実際に売れているんだろうと思うけど。