気になる本 02/07
岩倉具視 文春文庫 永井路子
岩倉具視といえば、幕末から明治にかけて大きな働きをした人で、さぞかし人間的にも素晴らしい人だろうと思っていたが、実際は公家出身でありながら雅さとはほど遠く、矮躯で見栄えもぱっとしなかったらしい。その分、頭の回転は抜群で権謀術数で幕末を渡り歩き、何度も挫折をしてはその都度ふてぶてしく蘇り、ついには新政府で確固たる位置を占めた。
本書は史料を駆使して永井路子さんが新しい岩倉像に挑むという。どんな岩倉像が描かれるのか。第50回毎日芸術賞受賞作の文庫化。