気になる本 02/12

柳宗理エッセイ 平凡社 柳宗理

 柳宗理民藝運動で有名な柳宗悦の長男で、日本のプロダクトデザイナーのさきがけ。代表作はバタフライ・スツール、と言われて、作品を調べたところ、なるほど今まで見たことのある作品が色々と出てきた。以前よく利用していた横浜市営地下鉄ホームに設置されている椅子や背もたれもこの人のデザインだった。デザイナーの個性が目立たず、風景にすんなり溶け込むフォルムは民藝運動から出たアノニマス・デザインというものなのだろう。
 本書はその柳宗理が自らのデザイン思想や、作品製作のプロセス、父の提唱した民藝運動などについて語ったエッセイを集めたもの。

プロダクト・デザインの世界的巨匠が88歳で刊行した初の著作選集。自作から民藝にいたる代表的な文章を100点の写真とともに収録。著者のデザイン哲学を凝縮した定番の一冊。