気になった本 02/21

 買った時にわくわくして、いざ読み始めて後悔し、読み終わった後に絶望する――ブルーバックスとはそういうお付き合いが多い。タイトルや目次を見てこの世の神秘を知りたいと思い手にしたはいいが、読んでいるうちにだんだん理解ができなくなって、読み終わった後にはやっぱり理解できなかった、世の中の神秘は自分には開かれていないのだ… この世の真理を自分は一生理解できずに終わってしまうのだ… と絶望しつつも、何ヶ月かして新刊の知らせを知ると手に取らずにはいられない(笑)
 今回取り上げた2冊も、多分というか100%、今までと同じ経過を辿ることが確実だ。この世は四次元じゃない?0.1mmの余剰次元がある?何だ、それ!?知りたい!量子のもつれ?テレポーテーション?何だ、それ!?知りたい!

余剰次元」と逆二乗則の破れ ブルーバックス 村田次郎著

万有引力の法則が近距離で破られる!? 宇宙の真の姿に迫る余剰次元理論とは何か
 
万有引力の法則を検証し、高次元宇宙を探し出す
ミクロの世界では重力が存在するのか、じつはまったく確認されていない。もし実験で万有引力の法則からのずれが見つかれば、それは重力が余剰次元にも伝播していることを示唆し、四つの力の統一という現代物理学最大の目標に向けた突破口となる。余剰次元探索の最前線に立つ著者が最新の考え方と実験の現場を紹介する。
 
高次元宇宙とはいったいどんな姿をしているのだろうか? 三次元に加えて新たに存在が考えられている「余剰次元」にそった方向には、宇宙の大きさは0.1ミリメートル程度であろうという理論が1998年に発表され、世界中の物理学者がひっくり返った。その大きさがたった0.1ミリメートルしかないということにではない。0.1ミリメートルもありそうだ、ということに驚いたのだ!――<「はじめに」より>
 
第1章 宇宙の姿
第2章 重力の法則
第3章 空間次元と逆二乗則
第4章 力の法則の一般形
第5章 余剰次元の世界
第6章 余剰次元を探る
第7章 強い力と宇宙項問題

量子もつれとは何か 「不確定性原理」と複数の量子を扱う量子力学 ブルーバックス 古澤明著

まったく新しい量子力学へのアプローチ
アインシュタインを悩ませた「量子もつれ」の正体とはなんだったのか? 不確定性原理と波の重ね合わせから導き出される量子もつれを駆使して、まったく新しい量子力学の考え方を提示する。
 
いままでの量子力学を超えた新しい量子力学の考え方がわかる
量子力学の根幹は不確定性原理にあり、そこから重ね合わせの原理が生まれる。これを1つの量子に当てはめていろいろやってきたのが従来の量子力学である。一方、自然界は1つの量子ではできていない。2つ以上、つまり複数の量子が存在する。量子もつれは複数の量子を扱う量子力学の最前線を語る上での重要なキーワードである。
 
複数の量子を扱う量子力学では、複数の量子にまたがった物理量間の不確定性関係を扱う必要が生じる。その結果、「量子もつれ=複数の量子にまたがった物理量が複数確定している状態」が生まれた。この本でそのことが臨場感を持って感じてもらえたらとてもうれしい。――<「はじめに」より>
 
序章 量子力学とは
第1章 テクノロジーの進歩と量子化の必要性
第2章 振り子の量子化
第3章 光の量子化
第4章 レーザー光と量子ゆらぎ
第5章 量子エンタングルメント
第6章 量子光学を用いてEPRペアを生成するための準備
第7章 量子光学を用いてEPRペアを生成
第8章 量子光学を用いた量子エンタングルメント検証実験
第9章 単一光子状態の生成
第10章 量子テレポーテーション
第11章 多量子間エンタングルメントと量子エラーコレクション実験